川口由一 ── 知る人ぞ知る自然農の祖で、福岡正信氏の自然農法とは一線を画しています。川口さんによる自然農とは 『土地を耕さず肥料や農薬を用いない、そして草や虫を敵としない生命の営みに任せた農』です。奈良県桜井市に専業農家の長男として生まれ、小学6年の時に父と死別し、中学卒業後、農家の主たる働き手として、当時はごく当たり前の農薬を使った農業を営んでいました。農薬で体をこわし、自然農に切り換えるべくその方法を模索し始め、同時に漢方医学と出会い、「生命の営みに沿った農」を目指します。野草社発行の「80年代」誌に「妙なる畑に立ちて」を連載。田畑の見学会、合宿会など、自然の農を求める人々と共に学ぶ場をつくる。1991年には赤目自然農塾が始まり、私はその5期生として参加させていただきました。現在 自然農の学びの場は全国各地10数カ所に増え、漢方学習会も全国5カ所で定期的に行われています。 どこにでもいるごく普通の農家のご主人で、冗談の好きなオジサンといった雰囲気を持ちながら、その一言一言は哲学的でひかりを放っています。そして、彼の無駄のない美しい所作には感動すら覚えます。 |